食べるのがもったいない、でも食べちゃう!グルメピエロ(オス)です。
シカゴで唯一のミシュラン三つ星レストランが「Alinea(アリニア)」。シェフの命とも言える舌の機能をガンで失いかけた、アメリカのレジェンドシェフ「グラント・アケッツ氏」が率いるレストランです。ネットフリックスの番組で見てからずっと行きたいと思っていた憧れのお店。料理が美味しいのはもちろん、プレゼンテーションが凝りに凝りまくっていて、食のエンターテインメントの最高峰といえます。見て楽しい、食べて楽しいアート料理の世界は、記憶に残る”食体験”となること間違いなし。その全貌を紹介します!
目次
Alinea(アリニア)
レジェンドシェフ「グラント・アケッツ氏」
イリノイ州シカゴには、ミシュランガイドに掲載されている星付きのレストランが2022年版で23軒あります。その中で唯一三つ星を獲得しているのが「Alinea(アリニア)」。
アリニアのシェフはグラント・アケッツさん。ネットフリックスの料理ドキュメンタリー番組の「シェフズ・テーブル」では、シーズン2の第1話に登場。料理バラエティ番組の「ファイナル・プレート」では、6回選の最終ジャッジをするレジェンドシェフとしても登場するなど、アメリカを代表するシェフとして知られています。
ナパバレーにある、アメリカで最も予約の取れないとも言われるミシュラン三つ星レストラン「フレンチ・ランドリー」で5年に渡って修行。その後シカゴに移り、経験を積んだ後に2004年にアリニアをオープンします。アートのような美しい料理が人気を博し、数々の賞を獲得。
順風満帆に見えたのですが、人生って難しい。2008年にステージ4の舌ガンを患い、余命2年と宣告されます。その後闘病生活を送り奇跡の回復。この辺りの苦悩は是非ネットフリックスを観てみてください(まわしものじゃないよ)。
↓フレンチ・ランドリーには行きましたが、高い割に美味しくない世紀のガッカリレストランでした・・・きっと当時は美味しかったのでしょう・・・
アクセス
アリニアはシカゴのダウンタウンの北側に位置し、観光客であれば拠点となるダウンタウンの中心部から電車で15~20分程度距離にあります。お店の近くにはアップルストアがあるなど、少し良いランクの場所なのではないかと推測しています。実際に雰囲気も良かったです。
左の写真の真ん中にある建物がアリニアです。一軒家を改装?してレストランにしています。普通に道を歩いていたら溶け込みすぎて分からないかも。
建物の中はこんな感じ、1部屋にだいたい5つのテーブルが配置されています。これが×4部屋分くらい。そして、宙に浮いている黒い物体気になりませんんか?グルメピエロも「謎のオブジェだなー」と思いながら途中から気にしていなかったのですが、後に豪快な伏線回収が待っております。
コース種類と予約方法
アリニアには大きく分けて2つのコースがあります。1つが2階席でいただく「The Salon(ザ・サロン)」($296〜365)というコース。もう1つは1階席でいただく「The Gallery(ザ・ギャラリー)」($405〜465)というコースです。クチコミを見たところ、両者の違いは品数と考えて良いとのこと。
さらに、6人からのみ予約できる「Alinea Kitchen Table(アリニア・キッチン・テーブル)」(1人$475)もあります。キッチンの目の前で食べることができ、これがアリニアが提供する最高峰の体験だそう。
予約はこちらから。毎月15日の午前11時(CST)に、翌々月の予約が開放されます。
至高のエンターテイメント料理
今回体験したのはザ・サロンで、この日のお値段は1人$335。コース料金は予約時に前払いです。
今回はスタンダードワインペアリング($145)も一緒に注文しました!
コース1品目に出てきたのがこちら。これなんだと思います?実は・・・キャビアなんです!「Osetra(オセトラ)」というチョウザメから取れるキャビアを、なんと粉砕。上に鰹節のように一面にふりかけてあります。
下にはクレープがいるのですが、クレープの甘さとキャビアの塩分、酸味の効いたソースのバランスがよくとってもクセになる。店員さんから「キャビアを砕いている」と聞いた後も丸い粒の存在を探してしまいました。そのくらい固定観念を打ち破った感じ。初っ端からすごい!しかも感動の美味しさ。
続いてやってきたのは綺麗なお皿の上に置かれたお魚です。「Arctic Char(ホッキョクイワナ)」を燻製的な形で香り付けしています。皮がキャラメリゼされていて、パリパリで甘味と香ばしさがあり、めちゃくちゃ美味しい。グルメピエロ(メス)のこの日の1番お気に入り料理。
食べ終わったら・・・店員が一言「器をひっくり返してごらん」。
言われるがままにひっくり返すと、そこにはゼリー。この器の綺麗な模様は、なんとホッキョクイワナの卵やニンジンで出来た粒々だったのです!!ザッツ、エンターテイメンツ!
このゼリー自体もとっても美味しい。燻製の香りがドカンときて、その後にプチプチとした食感。プチッと卵を潰すたびに口の中にさらに香りが広がっていきます。うま〜!
続いて出てきたのは・・・ベールに包まれた謎の2品。料理名は「Trampoline Papillote(トランポリン・パピヨット)」、トランポリンと呼ばれるものと、包み焼き料理の2品ということのようです。
卵の黄身を白い膜の上に落とします。
卵が落ちていくと・・・そこに出てきたのはスープ!こちらはブイヤベース。この世の魚介類のエキスを全て凝縮させたかのような濃い旨み。
紙の包装を解くと、中にはホタテ!!ふわっと爽やかな香りが広がります。この包装で香りを封じ込めていたようです。こんな出され方も初めて。楽しい!
押し花にでもするかのような、植物図鑑の表紙のような綺麗な配列の葉っぱたち。これらを薬味として組み合わせて使っていきます。なんだか日本的?
ピンセットを使って薬味を加えていくのですが、なんとなく理科の実験をやっているような気分になります。この薬味を加えたらどんな感じの味になるかな?と前のめりに自分も参加するような体験型の料理といった感じ。食のエンタメ化、素晴らしい。
ここからはアジアンテイストのコーナー!料理名は「Thailand(タイ)」。ファイアーショーの始まりか!と言いたくなるほど燃え盛るプレートが出てきます。
ココナッツカレーとパパイヤサラダ。 サラダはとってもオーソドックスな味わい。
店員さんがおもむろに我らの頭上に浮かぶ黒い物体を手に取ります。
そして、ハサミでジョキジョキ・・・え?なにしてんの?と一瞬固まったのですが「Cellery Root(セロリ・ルーツ)」だと 説明してくれました。セロリの一種で、セロリと違って葉っぱではなく、根っこを食べるんだとか。生ハム用のスライス機械で薄く切っていきます。
セロリルーツは先ほどのカレーにのせます。セロリのような苦味はなく、むしろちょっとした酸味を感じます。食感は寿司の脇にあるガリのような感じでした。カレーのまろやか濃厚で美味しいのですが、前の2品が美味しすぎたのと、目の前のいろいろなインパクトやらで味に対する感想が少し陰ってしまいました。
この料理の中では、他にも甲殻類のムースやちょっとしたお口直しのデザート的なものもあります。タイ料理ということもあって、合わせるお酒はリースリング。爽やかな甘さと辛味がマッチします。
続いてはメキシコゾーン。モレソースにクッキーほどは硬くもサクッともしてないヤツが乗っています。グルメピエロ(オス)はもともとモレの甘辛のどっちつかずの味がダメなので、この料理はちょっと苦手でした。
このカラフルなやつは、田舎の漬物みたいな味。素朴な感じ。モレソースが濃厚なので口直しにはいい感じ。
続いてはアメリカン。和牛の上にトリュフとブレザオラ(ハム)がのっています。グラントシェフの思い出の一品を昇華させたというものらしいのですが、これは全てが想像の範囲。美味しいのですが、想像通りのアメリカンダイナー料理の進化系って感じです。味も濃いめでした。
ハッシュブラウンです。外カリカリで、中がふわふわ、いや、ふわっふわ。そこまで大きくはないのですが、パワフルな味わいなので一気にお腹いっぱいになります。ここから次がデザートだよ。という感じで料理の終わりを感じます。
モンブランとその下には甘〜いドリンクのエッグノグ。牛乳とたまごをベースとした濃厚な味わい。ここにさらに甘いデザートワインを合わせるのですが、グルメピエロ(オス)的にはちょっと甘すぎた。
ここからは、デザート2品目。「グラスを持ち上げて」との指示があり、机にシートが敷かれました。
色々な材料が用意されていきます。そして・・・
机をキャンバスに見立てて、アートを描いていきます。これはテーブルにつく担当シェフごとにデザインが違います。もしかしたら、シェフもその時の気持ちによって変えるのかも。
完成!少し食べるのがもったいない。けどもちろんぺろりと完食。エンターテイメント料理ここに極まるという感じ。見て楽しい、食べて楽しい、写真をとって思い出して楽しいし、人と話題を共有して楽しい。食事の域を超えた体験です。最高!
まとめ
お会計
前払いのコース料金が税・サービス込で$900。これに1人分のワインペアリング代$194.45(税・サービス込)が加わり、合計$1095(1人$547.5)でした。サービス料込なので、チップ不要です。
店舗詳細
(アリニア)
営業時間:17:00-22:00
公式サイト:https://www.alinearestaurant.com/
予約サイト:https://www.exploretock.com/alinea/
住所:1723 N Halsted St, Chicago, IL 60614
オススメ度
★☆☆☆☆ 行く価値なし
★★☆☆☆ 微妙
★★★☆☆ 美味しい
★★★★☆ 絶対にまた行きたい
★★★★★ 唯一無二の感動店
※自信を持ってオススメするのが★4以上!
流石アメリカグルメの頂点、エンタメを極めしレストラン!星4としたのは、まず価格が非常に高いこと。そして、タイ料理あたりから少し味のクオリティにブレが出始めたことです。定期的にメニューが変わるので、料理が全てカチッとハマる時もあると思います。
こうした世界の料理を堪能するスタイルだと、味だけで言えばニューヨークのジャンジョルジュの方が全体的に洗練されていて美味しい。けれど、エンターテインメント性が光る故に記憶に残る体験となります!フレンチランドリーとは全く異なり、終始気持ちよく食事ができてホスピタリティも一流です。
↓ニューヨークの2つ星「ジャン・ジョルジュ」でも世界の料理を堪能できる!
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